きっかけは、何気なく手に取った一冊の本
少し前に、話題になっていた一冊の本を読みました。「お金を使い切って死のう」という趣旨の内容で、タイトルだけ見ると自分にはあまり関係のない話かと思っていたのですが、読み進めるうちに、正直かなり考え込まされました。
その本の中で紹介されていたのが、緩和ケアの現場で長年多くの患者を看取ってきた介護士の方が書いた本の話でした。その介護士の方が、最期の時間を過ごす患者さんたちから聞いた言葉を記録したものだそうで、その中で特に多くの男性が口にしていた後悔として紹介されていたのが、「働きすぎなければよかった」という一言でした。
これはあくまで、その介護士の方が現場で実際に聞き取ってきた話であって、「何%の人がそう答えた」というような統計調査の結果ではないようです。ただ、それでも、実際に最期の時間を過ごす方々の生の声として紹介されているという事実だけで、私にとっては十分に重く感じられました。
「時間ができた頃には、もう子供は離れている」
その本でハッとさせられたのが、「いつか時間ができたら、家族との時間を増やそう」と考えていても、実際に時間の余裕ができる頃には、子供はすでに親から離れていく年齢になってしまっている、という内容でした。
うちには4歳と0歳の子供がいます。上の子は「パパと遊ぶために必死に起きてる」んじゃないかと思うくらい、まだべったり甘えてくる時期です。でも、この時期はきっと一瞬で終わるんだろうな、というのは、日々の生活の中でもうっすら感じていました。「そのうち」「余裕ができたら」と先延ばしにしているうちに、子供と過ごせる時間そのものが減っていくかもしれない——そう考えると、他人事とは思えませんでした。
3年前、実は働き方を変えていた
正直に書くと、この本を読む前から、うちは3年ほど前に働く時間を見直し、職場も変えるという決断をしていました(会社名や具体的な業種は伏せさせてください)。当時は、「幼い時期こそ家族で過ごす時間を多く取りたい」という、今思えばかなり漠然とした気持ちが動機でした。
今回この本を読んで感じたのは、当時のその漠然とした気持ちが、間違っていなかったんだな、ということです。もちろん、働く時間を減らしたことで、収入面では正直楽ではない部分もあります。一馬力・年収400万円という状況で、家計をやりくりする大変さは日々感じていますし、「もっと稼げていたら」と思う瞬間がないと言えば嘘になります。
今、あらためて思うこと
それでも、今回この本を読んで、3年前の決断を後悔はしていないな、と素直に思えました。もちろん、この選択が正解だったかどうかは、まだ誰にも分からないと思います。子供が大きくなったときに、「もっと稼いでほしかった」と思われる可能性だってゼロではありません。
ただ、少なくとも今、目の前で甘えてくる子供と過ごす時間を、「いつか」ではなく「今」取れているということ自体は、素直によかったと思っています。この本をきっかけに、また折を見て、今の働き方や家族との時間の使い方を見直していきたいと思います。
次は、この「時間の使い方の見直し」について、時短勤務や副業とのバランスなど、具体的にどうやってきたのかを、こももさんとの対話形式でまとめてみようと思います。

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